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活動報告

2024.05.06

関西若手議員の会奈良研修に参加

地域版DMO(観光地域づくり法人)・民間主導の地域活性化の例

4月16日(火)に奈良県斑鳩町(法隆寺iセンター)にて開催された、関西若手議員の会奈良研修に参加しました。
本研修では、斑鳩産業株式会社の井上雅仁氏を講師に招き、広域観光・地域版DMOについてこれまでの取り組みや、今後の展望を伺いました。

研修の様子

井上氏は大和郡山市にて公務員として10年間勤務した後、家業の不動産会社であった斑鳩産業株式会社の代表取締役社長に就任しています。不動産会社就任後、単なる土地・建物の売買仲介ではなく、街を盛り上げ、地価を上げることができれば不動産会社としての収益も向上していくとの考えから地域の賑わいづくりに取り組むようになったとのこと。

斑鳩産業株式会社は、民間企業では本邦初となる地域版DMO(観光地域づくり法人)の認定を受け、行政や他社、NPOや観光協会、地域で活動する個人など幅ひろいステークホルダを結び付けつつ、その中核として地域のブランディングや観光客の誘致に取り組んでいます。
DMO、という言葉は聞きなれないものですが、観光庁はこの言葉を「地域の多様な関係者を巻き込みつつ、科学的アプローチを取り入れた観光地域づくりの司令塔となる法人」として定義しています。

観光地域づくり法人(DMO)の役割(観光庁資料から引用)

通常は地域の観光協会や官公庁がその役割を担うケースがほとんどですが、斑鳩町では民間企業がこのDMOを担い、関係するステークホルダのハブとなっている点で特異な例と言えます。
その根底には、地域が盛り上がれば、民間企業である自分たちも収益の増大が見込める、公と民でWin-Winの関係を築くことができるという冷静な判断があることがうかがえます。

井上氏いわく、「100人の定住人口を増やすより100,000人の関係人口を増やすほうがたやすい。」
すなわち、地域に根付き、深く関わるような人を少数増やすより、観光や交流など、浅く地域に関わる人を大量に増やすほうが簡単であること、また後者の方が多くの人が関わりお金を使っていくことで結果として地域の産業のすそ野の拡大につながるとのことです。

豊中で「観光」が産業として成り立つのか?

研修の中では、「JR・高速道路などが通っている町はそれだけで可能性がある。通過しているだけの人を少しでも降ろし、引き留めることができれば観光や交流の芽となる。」との言葉が印象に残りました。
豊中市は北西部に大阪国際空港を抱え、航空機を使って空港に降り立った各地からの来訪者はその多くがリムジンバスや鉄道を使って、本市域内を通過して関西一円へと向かっていきます。
そうした来訪者を豊中市は十分に「引き留める」ことができているでしょうか。本市の魅力や観光資源を訴求し、名前だけでも覚えて帰ってもらう、そうした努力が足りているでしょうか。
私はこの研修を通じて、まだまだできることが多くあると感じました。
と同時に、空港を中心とした大阪・北摂近距離観光のハブとして本市が今後機能していくための方策を打ち出さなければならないと考えています。

豊中市は幸い、国内第二の都市圏である京阪神大都市圏のほぼ中央に位置し、大阪市のベッドタウンとしてその恩恵を多く受けています。
そのため、主要都市圏以外の地方都市で問題となっているような移住や観光を通じて地域の外から人や金を呼び込んでこなければ立ち行かないという状態にはなっていません。
では、豊中での観光に可能性自体がないのかと言えば、それは異なると考えています。
先ほども書いたように、現在観光目的で豊中市を訪れる人は多くなくとも、通過する人の数は空港や高速道路、鉄道を抱える豊中市は非常に多い状態です。
観光資源としても、1泊2日まるまる豊中市に滞在して楽しみ尽くすというようなプランは提示できないにせよ、服部緑地や高校野球発祥の地、千里川土手など半日あるいは数時間を使い、他地域への移動前に足を止め、立ち寄ってもらえるような魅力あるスポットは多いと考えています。
こうした観光資源のPRや価値の提供は、現在個々のスポットや運営機関ごとになされていますが、DMOのように地域の観光関係者が集まりオール豊中の体制でPRを図っていけば、豊中の観光産業のすそ野を広げていくことは十分可能だと感じました。

関西若手議員の会奈良研修に参加

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