豊中の未来と
子どもを守る
坂口ゆうたの理念
活動報告
2023.10.08
9月定例会のご報告(文教常任委員会)
9月定例会が終了しました
9月5日から9月28日の間、24日間の日程で9月定例会が開催されました。
本項では、私が所属する文教常任委員会における議論及び決定事項についてご報告いたします。
文教常任委員会での9月定例会における議論・結果
私が所属する文教常任委員会では、こども未来部・教育委員会が所掌する予算・条例を審議の対象としており、子育て・教育を中心とした議案の審議を行っています。
9月定例会では、下記①~⑪の主要テーマに係る補正予算の審議を行いました。
各案件について、質疑・討論の結果、いずれも賛成多数により可決となりました。
① 螢池及び髙川図書館の改修
螢池及び髙川図書館を改修するための設計・事務に係る補正予算です。
螢池図書館はこども・親子連れ機能を充実させたうえで、令和7年4月にリニューアルオープンとなります。
② とよなか保育士応援手当・歓迎一時金業務
豊中市内にて働く保育士の数を増やすため、新たに保育士として働く方に応援手当を支給します。
また市外から転入したのちに1年間勤務された保育士の方に歓迎一時金を支給します。
③ 庄内及び北部一時保育等業務委託
少路の医療保健センター及び庄内駅前庁舎にて新たに休日保育を実施します。
④ 妊産婦健診初回産科受診助成
現在、母子手帳交付後の妊産婦健診については助成が行われていますが、初回の産婦人科受診時、すなわち妊娠が判明した際の受診料は保険適用外かつ助成対象外となっており、1万円程度の費用が掛かっています。その負担軽減のため、助成を行う事業です。
⑤ 産後ケア事業利用料助成
産後ケア事業の利用料助成を充実させるための補正予算です。
⑥ 児童相談所の建設
児童相談所開設のための工事費・事務費の補正予算です。
⑦ 上野小学校建替え準備
上野小学校の校舎建て替えにあたって、土壌・アスベスト調査を行います。
⑧ 公立こども園での給食提供のための設備改修
新たに給食提供を行う公立こども園において、給食の自園調理、もしくは外部搬入を行うための設備改修及び業務委託を行います。
⑨ 公立こども園再整備工事の費用見直し
公立こども園の建て替え工事に関して、物価・人件費高騰の影響を踏まえ契約価格を修正するための補正予算です。
⑩障害児支援事業所へのICT導入経費補助
障害児支援事業所におけるICT活用を支援するため、導入経費を補助する事業です。
⑪ 国庫支出金等過年度精算返還
市が国の交付金を財源として行った各事業について、事業に係る予算が確定したことを踏まえ超過分の国への返還を行うための支出です。
私の主な質疑・要望
取り上げた内容が多岐にわたるため、重要と考えるテーマに絞ってご報告いたします。
議論の全容、及び詳細な内容については追って公開される市議会の議事録をご覧ください。
(なお、市議会の議事録の公開には委員会終了後数か月を要する状態です)
【こども未来部】(こども・子育て支援政策)
① 乳幼児健診の受診率の向上について
問:出生以後に行われる健診のうち、4か月健診、1歳6か月健診、3歳6か月健診は集団健診とされ、3,000人程度の受診数がある。一方、生後10か月ごろの乳児後期健診については個別健診とされ、市民自身で健診を受ける医療機関を探し、受診する必要がある。
また、乳児後期健診については4か月健診の際に案内と問診票を渡されるのみで、その後市からアプローチは一切ない。
実際に受診数を見ると、2,800人程度と他の健診と比べて明らかに受診率が低い。
改めて健診の時期に案内を行うなどの対策が必要ではないか。
答:今後、受診時期にタイムリーに案内をすることで、受診率の向上に取り組む。
② 病児保育の利用実態の把握について
問:現在、市内三か所で実施されている病児保育事業について、利用者数、及び利用を断った件数は。また利用を断った理由は。
答:令和4年度は1,420人の利用があった。利用を断った件数は把握していない。利用を断った理由としては、定員オーバーや新型コロナウイルス感染症の疑いがある場合など。
要望:ニーズの把握のためには断った件数も含めて把握するべきと考える。また、断った理由によって取るべき対策も変わってくるため、把握をしてもらいたい。
③ 子育ち・子育て応援アプリ「とよふぁみ」の使い勝手向上について
問:子育ち・子育て応援アプリ「とよふぁみ」での地域のイベント情報の配信について、利用者側でフィルタリングをかけることができないため、全市の情報が流れてきて本当に欲しい近隣地域や年齢・月齢に応じたイベント情報を見逃してしまうとの市民からの声があった。アプリの改善はできないのか。
答:現在利用者側でのフィルタリング機能が実装されておらず、全国統一のシステム仕様となっているため豊中市独自のカスタマイズもできない。
要望:需要は一定あると考えるため、システム開発事業者に要望として伝えてもらいたい。
④ 子どもへの政策ヒアリングについて
問:市では子ども関連政策について対象となる子どもたちにヒアリングを行っていると認識しているが、ヒアリングの具体的な実施方法は。不慣れな子どもたちが闊達に意見を述べるための工夫は。
答:令和4年度は、市内の学校9校にて小学生から高校生、合計126人にヒアリングを実施した。
ヒアリングの実施にあたってはテーマを決め意見を出しやすいようにする、小学生にはクイズ形式で行うなどの工夫を行っている。
問:主権者教育の観点からは、子どもたちが言った意見を行政がどのように受け止め、どのように実際の政策、行政運営に反映されたかを示すことが非常に重要と考えるが、市の取り組みは。
答:ヒアリング結果及び市の政策への反映結果を市ホームページで公表するとともに、学校を通じて子どもたちに伝えている。
⑤ 大学生等支援特別給付金事業の検証について
問:奨学金を受給する大学生に対して5万円を給付した本事業について、当初8,000人の申請を想定していたところ、4,000人程度の申請・受給にとどまった理由は。
対象となる大学生であれば誰しも知っていれば申請するのではないかと考える。周知に問題があったのではないか。
答:想定の根拠となる奨学金の受給率が全国と豊中市では異なっていたのではと考える。8,000人という数値の算出は全国の受給率をもとにした。
周知については市内19歳~22歳のすべての市民に郵送で案内を行ったため、幅広く対応したと考える。
要望:19歳~22歳という世代は住民票はそのままに下宿していたり、市外の大学に通っていたりと行政にとっては最もアプローチが難しい世代と考える。
近隣の大学に案内を出し、掲示板に貼ってもらう、奨学金の実施団体に広報に協力してもらうなど手段は様々あったと指摘する。
⑥ ひとり親家庭の高認取得支援について
問:ひとり親家庭の親・子どもが高校卒業程度認定試験(高認)を受験するための費用を助成する事業について、直近5年間の申し込み件数を確認したい。
答:直近5年間の申し込み件数は0件である。
問:5年間申し込み件数がないとのことだが、現状を鑑みるとニーズがない、もしくは他の事業によってカバーされていると考え、事業の廃止を検討するべきではないか。
答:令和5年度に実施するひとり親家庭に対するアンケート調査結果も考慮し、検討する。
【教育委員会】(教育政策)
① 進路選択支援事業の現況について
問:経済的な事由に関する進路相談を主に担い、人権平和センター豊中にて週3日、人権平和センター蛍池にて週2日実施している進路選択支援事業について、直近の実績は。また相談のピーク時期は。
答:令和4年度は42件の相談を受け付けた。進学先が決定しはじめる11月から1月に相談件数が増加する。
問:相談のピーク時期に体制を手厚くし、閑散期には体制を減らすといった需要に応じた人員配置が必要ではないか。
答:引き続き、相談実績の推移や状況を見極めながら望ましい相談体制づくりを進める。
② 放課後・土日学習支援事業の効果検証について
問:令和4年度には、放課後・土日学習支援事業として5校のモデル中学校の生徒を対象に土日や放課後に学習塾を運営する事業者によって学習支援事業が行われたが、参加した生徒と参加しなかった生徒とで学力の伸長に差はあったのか。
答:本事業に参加した生徒と参加しなかった生徒を比較するデータはとっていない。参加した生徒には最初と最後に到達度テスト及びアンケート調査を行っている。
要望:事業の効果を見極めるためには、参加の有無によってサンプリングを行い、比較検証を行うことが必要と考える。それぞれの群の学校のテスト、成績を用いればこのデータは容易に生成可能と思われるため、本年度以降検討してもらいたい。
③ 郷土資料館と郷土教育の現状について
問:令和4年11月に開館した郷土資料館を活用した郷土教育の実践例は。
答:豊中の歴史や文化財に関する通史的な展示の他、学校の授業との連携や出前講座などを通して、豊中の郷土史にかかる普及・啓発活動を行っている。
いくつかの小学校では、蓄音機などの実物の古道具を教室に持ち込んで実施した「昔のくらしと道具」と題した出前授業を行った。
問:豊中市は大阪都市圏のベッドタウンとして、転出入も多い。他の町で生まれた子ども、育った子どもも含めて、豊中に愛着を持ってもらうためには主体的な学びの機会が重要と考えるが、市の取り組みは。
答:ガイド役の学芸員と一緒にまちを歩きながら、その地域の文化財、歴史、文化を学ぶ取り組みを行っている。また、学校の授業では生徒が自らそれぞれの地域について調べ、発表する機会を設けている。
④ 中央図書館構想に関する市民との共創について
問:令和4年度中に行った中央図書館基本構想に関する市民説明会、ワークショップ等の実績は。
答:市民ワークショップを4回実施し、延べ85人が参加した。
また、図書館の未来を考えるシンポジウムを開催し、オンラインを含め108人が参加した。
「豊中市立図書館みらいプラン素案」に係るパブリックコメントでは203人、681件の意見が挙がった。
その他、市民説明会や出前講座を2回実施した。
問:市内図書館の再編・中央図書館の建設は市民全体に大きな影響を及ぼす事業である。説明会やパブリックコメントに参加していただける非常に熱心な市民以外、一般の市民の方の意見も把握し、事業に反映される必要があると考えるが、市の取り組みは。
答:令和元年度に無作為抽出による市民アンケートを実施した。また各図書館において図書館みらいプランの周知を図っている。市民説明会では子育て世代や若者の参加が少ない状況であるため、今後ターゲットを絞って説明会やワークショップを開催することを検討する。
要望:無作為抽出による調査は令和元年度以降実施されていないとのことだが、図書館みらいプラン及び中央図書館基本構想が具体化してきたこのタイミングで改めて実施すべきと考える。
みらいプランではこれまで図書館の利用が相対的に少なかった子育て世代や若者の図書館利用を促していくことが謳われているが、そうであるならばこうした新たなターゲットに対する説明・意向調査をしっかりと行うことが必要であると指摘する。
① 螢池及び髙川図書館の改修事業について
問:今後、市内の図書館は再編が進められる予定となっており、新しく建設される中央図書館を市内の核とした上で庄内と千里の地域館がその補佐、そして螢池・高川・野畑・東豊中の各図書館は分館と位置づけられ、地域課題に応じた機能設定を行うこととされている。しかし、中央図書館の場所、規模、内容はいまだ決まっていない。そんな状況で先に螢池図書館の改修を行って市全体の図書館再編の構想に影響は出ないのか。中央図書館の具体化を先に行うのが筋ではないか。
(参考:豊中市立図書館みらいプラン)
答:各分館の置かれている状況は異なり、検討に要する期間も異なるため、着手可能な部分から順次みらいプランに基づいた整備を行う。
問:こども・親子連れのための機能を充実させるとのことだが、施設面積は変わらないため、既存の利用者向けのスペースは減ることとなる。その影響はどう吸収するのか。
答:公民館と連携し、共有スペースにテーブルやラックを置くなど、多世代に対応した読書スペースの確保に向けて検討を進めていく。
要望:中央図書館の構想が具体化しないうちに分館の改修が先行していることには違和感を覚える。また議会や市民に向けた説明も不十分。今後、市全体の図書館機能の整合性、市民との協働に十分留意してもらいたい。
④ 妊産婦健診初回産科受診助成
問:妊娠判明前から産婦人科を受診している場合、初回産科受診の助成と、不妊治療への保険適用または市独自の助成の取り扱いはどのようになるのか。
答:初回産科受診料の補助については、保険適用分は対象外となるため、本事業の対象とはならない。
中央図書館構想及び市内の図書館の再編については、まだまだ不透明な部分が多く残っています。
今後の文教常任委員会での審議及び本会議での議論において市民の意見が反映された形での決着となるよう私も努めてまいります。
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